教えてくれた講師

株式会社 タテマツ 立松 進さん

株式会社 タテマツ
代表取締役/
日本革類卸売事業協同組合理事長

立松 進さん

株式会社 タテマツは1885年(明治18年)に、立松進の曽祖父が創業した高松商店の歴史を継承している老舗皮革問屋で、日本人らしい美意識を追及した皮革をプロデュースしている。四代目となる現社長の立松進は、コードウェイナーズ・テクニカル・カレッジ(現ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション)に日本人初の生徒として入学し、エマ・ホープなどと席を並べて靴作りのデザイン等を学んだ経歴を持つ。

レザーソムリエ資格取得を通して身につく、
素材としての皮革の面白さ・可能性について教えてください。
皮革素材の知識を体系的に学べる機会はそう多くありませんでしたが、レザーソムリエ資格を取得することは、それらを身につけることに大いにつながります。また、レザーソムリエ資格取得はその知識の深さを一定程度担保する証明でもあります。
皮革や革製品について一定の知識を有する、レザーソムリエ資格取得者に期待することを教えてください。
レザーソムリエ資格の発足以前は、皮革に関する知識は各種メディアで習得する事しかできず、その知識が偏った見解であるか否かの判断は容易ではありませんでした。その点、初級・中級試験の合格は、ある一定程度の「正しい皮革の知識を有する」資格保有者であるといえます。それらの知識を基に、日々更新されている皮革技術のさらなる習得を期待しています。
コロナ禍以降の皮革業界と市場のトレンドの変化について、お気づきの点をお教えください。また今後の見通しについても教えてください。
本来、革製品は私達の日常ではフォーマルな外出の機会などに欠かせないものでした。コロナ禍においては外出の機会が減ったことに伴い、革製品の売上も大幅に減少し、皮革産業は大変困難な時代をむかえています。しかしながら、ポストコロナの時代において、再び革製品の需要が高まる機会はやってくると考えます。
皮革業界におけるSDGsや環境配慮の取り組みについて、ご存じのことや、ご自身のご経験などを教えてください。また今後の展望などを教えてください。
皮革産業は新型コロナウイルス感染拡大による革製品の売り上げ減少により、大きな打撃を受けました。一般消費者の生活様式や、消費志向が変化した今、皮革をSDGsの観点で考え直すことは重要だと思います。それはたんに、製品の販売目的の観点から皮革素材の優位性などを述べるだけに限らず、皮革や革製品の生産過程がどのように人間と環境の保全の両立に寄与するかという、広い視野で皮革素材を見直すことが必要です。
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